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(GaNT)


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松島義章さんのご逝去を悼んで

 

 神奈川県立生命の星・地球博物館名誉館員,日本第四紀学会名誉会員,日本古生物学会名誉会員の松島義章氏(84才)は,ご闘病中のところ令和3年1月12日にご逝去されました.謹んで哀悼の意を表します.

 松島氏は,縄文海進期を中心に,日本列島の貝類群集を詳細に研究された,この分野の第1人者でした.多くの論文を著してこられましたが,2006年に初版を出された「貝が語る縄文海進 ―南関東,+2℃の世界」はまさに松島氏が目指してきたメインテーマそのものであり、これを分かりやすくまとめた名著です.

 筆者はおよそ50年前にもなりますが,当時学位論文を執筆されておられたころ,鎮西清高先生のご指導を受けに東京大学(本郷)に来られた折に,初めてお会いしました.それ以来の長きにわたり,親しくさせていただきました.露頭で貝化石を発見するたびに鑑定をお願いしました.近年は,長年にわたって集められた貝化石の年代値を暦年較正することに心を割いておられ,我々もお手伝いをしていました.2年前には闘病中でありながら,日本古生物学会の例会で,暦年較正をした年代値を用いて,ハイガイなどの温暖種が黒潮などの暖流に乗って北上した過程を発表することができたと,講演要旨を送ってくださいました.まだまだご活躍をしていただきたかったのですが,まことに残念でなりません.ご冥福を祈ります.

(遠藤邦彦)

 

【経歴】昭和11年12月,長野県下伊那郡伍和村生れ.横浜国立大学学芸学部地学科卒.理学博士(東京大学).
神奈川県立博物館学芸部地学学芸員.神奈川県立生命の星・地球博物館地学専門学芸員.学芸部長.放送大学大学院,玉川大学,日本大学,北里大学ほかで非常勤講師.
日本第四紀学会名誉会員,日本古生物学会名誉会員,神奈川県立生命の星・地球博物館名誉館員

 

主なご研究(縄文海進と貝類群集の変遷に関係するもの)

松島義章・大嶋和雄 (1974) Littoral Molluscan Fauna of the Holocene Climatic Optimum ( 5,000-6,000 y.BP ) in Japan. 第四紀研究,13,135-159.

松島義章 (1979) 南関東における縄文海進に伴う貝類群集の変遷.第四紀研究,17,243-265.

松島義章 (1984) 日本列島における後氷期の浅海性貝類群集―特に環境変遷に伴う時間・空間的変遷―.神奈川県博研報(自然科学),15,37-109.

松島義章 (1999) 完新世海成堆積物からみた相模湾沿岸地域の地形変動.第四紀研究,38,503-514.

松島義章 (2006) 貝が語る縄文海進 ―南関東,+2℃の世界.有隣新書,219pp.

松島義章 (2010) 完新世における温暖種が示す対馬海流の脈動.第四紀研究,49,1-10.

松島義章・村田文夫(2019)縄文海進と子母口貝塚 先史時代の川崎の海を復元する.かわさき市民アカデミー 川崎学双書シリーズ4,彩流社,93pp.


生活の土台を知ること

私達の社会・生活はすべて地盤の上になりたっています。建物を建てたり、地下空間を利用したり、あるいは地震、液状化、地盤沈下などの環境問題を考えたりする上で、基礎となる地盤の構造を知ることは大変重要です。また、地層から読み取れる様々な情報は、過去の自然災害、海水準変動、気候変動などを知る手がかりとなります。

蓄積された大量のデータ

近年の技術革新により私達は今、デジタル化され公開された多量なボーリングデータとデジタル標高データを使うことで、ボーリングによる詳細解析、精緻な地形データ解析、精度の高い自然科学分析などが出来るようになりました。これにより確立された精緻な古地形・古環境の復元は、これからの街づくりや復興、環境問題・防災・減災の基礎となります。

情報の伝達・共有・活用

しかし残念ながら現時点ではこれらのデータや解析された情報などが、有意義に活用されているとは言えない状況です。当会では財産と言えるこの貴重な情報を、一部の研究者・技術者だけのものにせず広く一般の方とも共有・活用していくことを目指しています。


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