地学に関連した外部の学会やシンポジウム,公開講座などをご紹介します.
名 称 | 開催日 | 申込締切日 |
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2022年日本第四紀学会 学会賞・学術賞記念講演会 | 2023年2月18日(土) | 2023年2月17日(金) |
→過去の学会・シンポ
日時:2023年2月18日(土)9:30〜12:30
学会賞受賞講演:
池原 研「巨大地震時に海底で起こること,そしてその地層記録と新たなチャレンジ」
須貝俊彦「湿潤変動帯島弧の山地・河川・平野の地形発達史研究-回顧と展望-」
澤井祐紀「地層の記録が明らかにする過去の巨大地震・津波」
Zoomによるオンライン講演会
参加費無料・事前登録制(先着定員500名,非会員も参加できます!)
主催:日本第四紀学会
事前登録URL:https://us06web.zoom.us/meeting/register/tZ0sd--orzsoHtHDnpawJoY-EtiJ9vnHviQi
日時:2023年1月14日(土)13:30-16:00
会場:三鷹市公会堂さんさん館3階 多目的会議室AB(三鷹市野崎一丁目1番1号)
参加費無料・定員70名(申込み先着制)
今は海から遠い台地上に位置する三鷹市ですが,下末吉海進の頃は、縄文海進時とは異なり、海がここまで入り込んでいました.地学的見地からの環境変遷と,考古学的見地からのヒトの暮らしの変遷を考察します.
申し込み方法など詳細は三鷹市サイトの考古学講演会「三鷹の12万年自然環境の変遷とヒトの暮らし」を御覧ください.
日時:2023年1月5日(木)〜23日(月)平日9:00-17:00まで(1月5日は午後1時から、1月23日は正午まで)
会場:三鷹市役所1階市民ホール(三鷹市野崎一丁目1番1号)
参加費無料・申込不要
詳細は三鷹市サイトの考古学展示会「三鷹の12万年自然環境の変遷とヒトの暮らし」を御覧ください.
主催:三鷹市 スポーツと文化部
日時
12月16日(金)13:00~18:00 水蒸気噴火に関する学術シンポジウム
12月17日(土)9:20~15:30 活火山の防災と観光に関するシンポジウム
場所:木曽町文化交流センター 多目的ホール (長野県木曽町福島5129)
入場無料・要事前申し込み(申込締切 12月12日(月))
主催:御嶽山・箱根山・草津白根山-水蒸気噴火および防災と観光-シンポジウム実行委員会
プログラムは こちら
申し込みは 長野県のサイト
日時:12月3日(土)13:00〜16:30
講演題目:
山元孝広「沼沢火山の噴火と大谷川の埋もれ木」
木村勝彦「大谷川埋もれ木の年輪解析」
早瀬亮介「大谷川埋もれ木の高精度年代測定~放射性炭素(14C)ウィグルマッチングによる~」
片岡香子「沼沢火山の噴火後に発生した只見川・阿賀野川での大規模決壊洪水:縄文時代の噴火から学ぶこと」
三浦武司「沼沢火山噴火と縄文社会への影響」
苅谷愛彦「沼沢火山大噴火発生当時の東北地方南部の古環境」
山田隆二「長野県千曲市本誓寺遺跡から見つかった平安時代の埋もれ木と大洪水」
場所:三島町交流センター山びこ(福島県大沼郡三島町大字名入字諏訪ノ上418)
参加費無料・事前予約制(先着定員100名)
主催:(一社)IORI倶楽部・三島町・三島町教育委員会
詳細・予約方法は 三島町交流センター山びこ
須貝俊彦会員(東京大学新領域)が第四紀学会学術賞を受賞されました!おめでとうございます.
8月26〜28日静岡大学おいて,第四紀学会2022年大会が開催されていました.27日は学会賞,学術賞などの授与式が行われました.
須貝俊彦会員は、湿潤変動帯である日本列島において、地形学、堆積学、火山灰編年学などに基づく各種手法を駆使し、発達史的な観点から山地、平野における地形および第四紀堆積物の形成過程を復元し、 第四紀学の発展に貢献する研究成果を挙げてきた。隆起・沈降速度が速く活発な地殻変動が進行し、かつ 顕著な降水を伴う地域を対象としたことにより、地形変化の速度が世界平均を上まわる地域における地形 形成モデルを提示した。
山地研究では地形学における古典的課題である侵食小起伏面を赤石山脈での事例から取り上げ、マス ムーブメントなどの観点からその形成過程について論じた。また山地から平野にかけて流下する河川上流 部に発達する河成段丘の研究では、利根川水系碓氷川流域を対象として、火山灰編年学的手法により形成 年代を決定した上で、掃流力や下刻速度の時系列的な復元を行い、侵食・堆積と気候変動との関係を論じた。
研究対象は平野にもおよび、濃尾平野でボーリングコアを堆積学的に解析し、河川最下流部における地 形形成過程を明らかにした。これにより、土砂運搬システムとしての河川の縦断面形を、先にあげた研究 も含めて最上流部から最下流部まで俯瞰したことになり、掃流力の時間的変化を氷期-間氷期サイクルと それに応答する河川システムとして流域全体で考察した。また濃尾平野での研究では、単に河川地形研究 に留まらず、デルタフロント堆積物の解析から地震性沈降を認め、それを養老断層の活動履歴の解明に結 びつけるという変動地形学なテーマにも取り組んだ。また同平野に伏在する中期更新世堆積物の編年も試 み、長期にわたる平野形成史をはじめ、三河高原の形成過程にも言及した。
このように須貝俊彦会員は、山地から平野、河川上流部から最下流部を守備範囲とし、10 万年オーダー から数千年オーダーのタイムスパンで各種現象を取り上げ、時空間の制約を超えて発達史研究を進めてき たと言える。またその活動の場も公的研究機関から大学と多岐であり、50 万分の 1 活構造図などの地質 図作成という根幹的な基礎研究から、津波や土石流、地すべりなどの研究を通じて研究者育成まで手広く 取り組んだ。自身の研究のみならず、このように広い観点から第四紀学の発展に大きく貢献した。
須貝会員のこれら一連の研究業績と活動は、第四紀学と本学会の発展に多大な貢献をしており、日本第 四紀学会学術賞にふさわしいと判断した。
(第四紀学会HP 第四紀通信Vol.29 No.4から引用)